【準々決勝レポート/トヨタ紡織 vs. 三菱電機】初のベスト 4 入りに導いたエースの “我慢”
2021年12月16日
「第88回皇后杯 全日本バスケットボール選手権大会ファイナルラウンド (以下、皇后杯)」準々決勝、三菱電機コアラーズと対戦したトヨタ紡織 サンシャインラビッツは、三菱電機のゾーンディフェンスに手をこまねき、前半はオフェンスで後手を踏んでしまう。
24秒バイオレーションも多く、攻撃チャンスを思うように得点につなげることができない。特にエースの#8 東藤なな子が「前半は相手のチェンジングディフェンスになかなか対応できず、アタックができなかったです」と僅か 4 得点に留まったことも大きく影響し、前半を11点ビハインドで終えた。
だが、トヨタ紡織の東藤は、その状況を冷静に捉えていた。
「トーナメント戦なので、一発目からエネルギーを出してやろうとは思っていたのですが、それがなかなかできませんでした。ただ、うまく行かないこともありましたが、そこに対して一喜一憂せずに、自分の役割を40分間やり通そうと強い気持ちで戦いました」
この言葉通り、後半は「シュートが入らなくても打ち続けること、リングにアタックし続けること」と自らの仕事に徹する。出だしからアクセル全開で 2 連続で得点。これに#15加藤優希、#17齋藤麻未も呼応したトヨタ紡織は、第 3 クォーター残り 4 分を切って逆転に成功した。
その後、シーソーゲームの展開の中、残り 1 分半には三菱電機の#45渡邉亜弥にスティールからの速攻を鮮やかに決められて 2 点ビハインドを負ったものの、続く攻撃で東藤が 3 ポイントシュートをねじ込む。
東藤のガッツポーズも飛び出したトヨタ紡織は、残り39秒には#25坂本美樹がダメ押しとなるバケットカウントを沈めて勝負あり。フリースローで加点し、最後は63-58で勝利した。
「(チームの59点目となる) 3 ポイントシュートは、前半から 3 ポイントシュートを打たずに24秒 (バイオレーション) になるシーンがすごく多かったので、最後の大事な場面なので打ち切ろうと思っていました」と東藤。
苦しい戦いを強いられたが、トヨタ紡織はエースが “我慢” し、チームとしても踏ん張り初のベスト 4 入りを決めた。